脆弱性診断(脆弱性評価)
脆弱性診断(Vulnerability Assessment)とは、システム、アプリケーション、ネットワークに存在するセキュリティ上の弱点(脆弱性)を体系的に発見・評価する作業です。攻撃者に悪用される前に脆弱性を特定し、修正するための重要なプロセスです。
脆弱性診断の必要性
ソフトウェアには必ず脆弱性が存在します。CVE(Common Vulnerabilities and Exposures)データベースには、毎年2万件以上の新しい脆弱性が登録されています。これらの脆弱性を放置すると、攻撃者に悪用されてデータ漏洩やシステム侵害の被害を受ける可能性があります。
診断の種類
プラットフォーム診断
OS、ミドルウェア、ネットワーク機器などのインフラ層を対象とした診断です。パッチ未適用の脆弱性、不適切な設定、不要なサービスの稼働などを検出します。
Webアプリケーション診断
Webアプリケーションを対象とした診断です。OWASP Top 10に代表される以下のような脆弱性を検出します:
- SQLインジェクション
- クロスサイトスクリプティング(XSS)
- 認証・認可の不備
- セキュリティの設定ミス
- 機微データの露出
ネットワーク診断
ネットワーク構成、ファイアウォール設定、暗号化プロトコルなどを対象とした診断です。外部からの侵入経路や内部ネットワークでの水平展開の可能性を評価します。
ソースコード診断(SAST)
ソースコードを静的に分析し、セキュリティ上の問題があるコーディングパターンを検出します。開発段階で脆弱性を発見できる利点があります。
診断手法
自動診断(ツール診断)
脆弱性スキャナー(Nessus、Qualys、OpenVAS、Burp Suiteなど)を使用して、既知の脆弱性を自動的に検出します。効率的で網羅的な診断が可能ですが、誤検知や見逃しが発生することがあります。
手動診断
セキュリティエンジニアが手動でソースコードをレビューしたり、ツールでは検出できない複雑な脆弱性を探索したりします。精度は高いですが、時間とコストがかかります。
CVSSによるリスク評価
発見された脆弱性は、CVSS(Common Vulnerability Scoring System)に基づいてスコアリングされます。0.0〜10.0のスコアで深刻度が表され、優先的に対処すべき項目が明確化されます:
- Critical(9.0-10.0):即時対応が必要
- High(7.0-8.9):早急な対応が必要
- Medium(4.0-6.9):計画的な対応が必要
- Low(0.1-3.9):リスクを受容するか計画的に対応
継続的な診断の重要性
脆弱性診断は一度実施すれば終わりではありません。新しいソフトウェアの導入、システム変更、新たな脆弱性の発見に対応するため、定期的な診断(四半期ごとなど)を継続的に実施することが重要です。DevSecOpsの観点からは、CI/CDパイプラインに脆弱性診断を組み込むことも推奨されます。