ランサムウェア

カテゴリ: 脅威と攻撃手法

ランサムウェア(Ransomware)とは、コンピュータやサーバーに侵入し、保存されているファイルを暗号化して使用不能にした上で、復号化と引き換えに身代金(Ransom)を要求する悪意あるプログラム(マルウェア)です。現代のサイバー犯罪において最も深刻な脅威の一つとなっています。

ランサムウェア攻撃の進化

初期のランサムウェアは、個人のPCを狙い、比較的少額(数万円程度)の身代金を要求するものでした。しかし、近年では攻撃手法が高度化し、企業や組織を標的とした大規模な攻撃が主流となっています。

二重恐喝(Double Extortion)

データを暗号化するだけでなく、事前に機密データを窃取しておき、「身代金を支払わなければデータを公開する」と脅迫する手法です。バックアップからの復旧だけでは対処できず、被害が深刻化します。

三重恐喝(Triple Extortion)

二重恐喝に加えて、被害組織の取引先や顧客に対しても脅迫を行い、さらなる圧力をかける手法です。

RaaS(Ransomware as a Service)

ランサムウェアの開発者が、攻撃ツールを「サービス」として他の犯罪者に提供するビジネスモデルです。技術力のない犯罪者でもランサムウェア攻撃を実行できるようになり、攻撃の裾野が広がっています。

主要なランサムウェアファミリー

過去数年間で猛威を振るったランサムウェアとして、LockBit、Conti、REvil(Sodinokibi)、BlackCat(ALPHV)などが知られています。これらのグループは、大企業や重要インフラを標的とし、数億円規模の身代金を要求することも珍しくありません。

被害の実態

ランサムウェア攻撃は、医療機関、自治体、製造業、金融機関など、業種を問わず被害が拡大しています。2021年には米国のColonial Pipelineがランサムウェア攻撃を受け、東海岸の燃料供給に深刻な影響が出ました。日本でも2022年に大阪急性期・総合医療センターがランサムウェア被害を受け、電子カルテシステムが使用不能となりました。

効果的な対策

  • 定期的なバックアップ:オフラインバックアップを含む3-2-1ルール(3つのコピー、2種類のメディア、1つはオフサイト)の実践
  • セキュリティパッチの適用:既知の脆弱性を速やかに修正
  • 従業員教育:フィッシングメールの見分け方、不審な添付ファイルへの対応
  • EDRの導入:エンドポイントでの不審な動作の検知と対応
  • ネットワークセグメンテーション:感染拡大の防止
  • インシデント対応計画:攻撃を受けた際の対応手順の事前策定