フィッシング
カテゴリ: 脅威と攻撃手法
フィッシング(Phishing)とは、実在する企業や組織を装った偽のメール、SMS、Webサイトなどを用いて、ユーザーのID、パスワード、クレジットカード情報などの機密情報を騙し取るサイバー攻撃手法です。「釣り(Fishing)」が語源で、餌(偽メール)で獲物(被害者)を釣り上げるという意味が込められています。
フィッシング攻撃の手口
典型的なフィッシング攻撃は、以下のような流れで行われます:
- 攻撃者が銀行やECサイトなどを装った偽メールを送信
- 「アカウントが停止されます」「セキュリティ上の問題が発生しました」などの緊急性を煽る文面で偽サイトへ誘導
- 被害者が偽サイトでID・パスワードや個人情報を入力
- 入力された情報が攻撃者に送信され、不正利用される
フィッシングの種類
スピアフィッシング(Spear Phishing)
特定の個人や組織を狙った標的型フィッシングです。ターゲットの情報を事前に収集し、個人名や所属部署などを含めたパーソナライズされたメールを送ることで、信憑性を高めます。成功率が高く、企業や政府機関への攻撃によく使われます。
ホエーリング(Whaling)
経営幹部や役員など、組織内で高い権限を持つ人物を標的としたフィッシングです。「大物(クジラ)」を狙うことからこの名前がついています。
ビジネスメール詐欺(BEC:Business Email Compromise)
経営幹部や取引先を装い、財務担当者などに送金指示を出す詐欺です。メールアカウントの乗っ取りや、類似ドメインの使用により、本物と見分けがつきにくくなっています。FBI によると、BECによる被害額は年間数十億ドルに達しています。
スミッシング(Smishing)
SMS(ショートメッセージサービス)を使ったフィッシングです。「お荷物の配達に失敗しました」などの文面で偽サイトに誘導します。スマートフォンの普及により被害が増加しています。
ヴィッシング(Vishing)
電話(Voice)を使ったフィッシングです。銀行やサポートセンターを装って電話をかけ、口座情報やパスワードを聞き出します。
効果的な対策
- 送信元の確認:メールアドレスのドメインが正規のものか確認
- URLの検証:リンクにカーソルを合わせて実際のURLを確認、HTTPSの有無をチェック
- 多要素認証(MFA)の導入:パスワードが漏洩しても不正ログインを防止
- セキュリティ意識向上トレーニング:従業員への定期的な教育と模擬フィッシングテスト
- メールフィルタリング:AI/MLを活用した高度なフィッシングメール検知