中小企業がサイバー攻撃の標的になる理由
「サイバー攻撃なんて、大手企業の話でしょ?」と思っている方も多いかもしれません。しかし、最近の調査やレポートを見ると、中小企業こそがサイバー攻撃の新たな標的として狙われているという実態が明らかになっています。
大企業に侵入するための踏み台にされたり、比較的セキュリティが手薄なのを狙ってランサムウェアを仕掛けられたりするケースが増えています。大企業ほど専門のセキュリティチームや予算を割けない企業が多いこと、そしてサプライチェーンの一部として大手企業への侵入経路として利用されてしまうケースが主な理由です。
増加するサプライチェーン攻撃の脅威
IPAが公開している「情報セキュリティ10大脅威」を見ても、「サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃」や「ランサムウェアによる被害」は上位にランクインしています。取引先である大企業のシステムに侵入するために、セキュリティが弱い中小企業を攻撃するという手法が一般化しています。
一度攻撃を受けると、自社だけでなく取引先にも被害が及ぶ可能性があり、信頼関係にも影響を与えかねません。中小企業といえども、サプライチェーン全体のセキュリティを意識する必要があります。
今日からできる基本的なセキュリティ対策
「うちには無理だよ…」と諦める前に、実は今日からすぐにでも始められる対策がいくつかあります。まずは基本的なことですが、OSやソフトウェアの最新状態へのアップデートです。これは攻撃の「隙」をなくす上でとても重要です。
次に、推測されにくい複雑なパスワードの設定と、可能であれば多要素認証(MFA)の導入です。メールに添付された不審なファイルを開かない、怪しいリンクをクリックしないといった従業員一人ひとりのセキュリティ意識向上も欠かせません。万が一に備えて、重要なデータは定期的にバックアップを取っておくことも効果的です。
一歩進んだセキュリティ対策と支援制度
さらに一歩進んだ対策としては、侵入を検知・防御する「EDR」のようなサービスや、万が一の被害に備える「サイバーセキュリティ保険」の活用も検討されています。最近では、中小企業向けの比較的導入しやすいセキュリティサービスも増えてきています。
どこから手をつければいいか分からない場合は、国の機関や専門の相談窓口に問い合わせてみるのも良いでしょう。IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」などは、非常に分かりやすくまとめられています。IT導入補助金なども活用できる場合があります。
継続的な対策で安全なデジタル社会を
サイバー攻撃は日々進化していて、完璧な対策というものは存在しないかもしれません。しかし、何もせずにただ待っているだけでは、リスクは高まるばかりです。
今日できることから少しずつでも対策を進めていくことが大切です。安全なデジタル社会を守るために、一緒に学び、行動していくことが求められています。専門家や支援制度を活用しながら、自社に合った対策を継続的に実施していきましょう。